自然科学書出版  近未来社
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    自然災害(地盤災害)
千木良雅弘 著
  高レベル放射性廃棄物
   処分場の立地選定
千木良雅弘 著

  災害地質学ノート
大八木規夫 著
  増補版/地すべり地形判読法
千木良雅弘 著
  写真に見る 地質と災害
千木良雅弘 著
  深層崩壊
千木良雅弘 著
  崩壊の場所
千木良雅弘 著
  群発する崩壊
石田 毅 著
  岩盤破壊音の科学
千木良雅弘 著
  風化と崩壊

    自然災害(地震災害)
金折裕司 著
  断層地震の連鎖
飯尾能久 著
  内陸地震なぜ起こるのか?
金折裕司 著
  山口県の活断層
長尾年恭 著
  地震予知研究の新展開
金折裕司 著
  活断層系
力武常次 著
  予知と前兆
金折裕司 著
  断層列島
金折裕司 著
  甦る断層

    水災害(土木工学)
高橋 保 著
  洪水の水理
高橋 保 著
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高橋 保 著
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河田惠昭 著
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    地球科学(地質学)
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ノンテクトニック断層研究会/編著

  ノンテクトニック断層
吉田英一 著
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吉田英一 著
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深川昌弘 著
  上手な本の作り方 Q&A
深川昌弘 著
  これからの自費出版−虎の巻−
金折裕司(元山口大学教授)著
活断層系 −大地震発生とマイクロプレート
Failt Systems and their Activity
A5判上製・228頁 定価 3,204円(税込) 
ISBN978-4-906431-06-9〔初版発行日/1997.1.10〕
 〈近未来科学ライブラリー・シリーズ Vol. 7〉
Key Words  兵庫県南部地震と断層系・高槻-六甲-淡路構造線・花折-金剛断層線・
敦賀湾-伊勢湾構造線・マイクロプレート・モデル・内陸大地震の危険地帯

From the text
 兵庫県南部地震の発生は,断層運動と地震発生の因果関係に関するこれまでのモデルが不十分であったことを意味していた。加えて,そのモデルに基づいて地震の危険度を評価する方法の見直しを迫ったことは否めないであろう。1948年福井地震から約50年間,つかのまの静穏期であった。その間,活断層の存在に関する情報は著しく増加したが,残念ながらこれまで得られてきた活断層と地震の因果関係に関する知識は,兵庫県南部地震の発生を充分に予測するものではなかった。既存のモデルやそれに基づいた地震の危険度評価法を見直す切っ掛けとしては,今回の阪神・淡路大震災はあまりにも大きい代償であった。これまでに2冊の著書を著して,断層と地震に関する私の考えはすべてその中で述べたつもりでいた。ところが兵庫県南部地震に誘発された阪神・淡路大震災を省みる時,この地震発生に関する私なりの考えをまとめておかなければならないと思うようになった。これが,本書を著そうと思った切っ掛けである。

 本書の刊行によせて(上田誠也:東京大学名誉教授)

<序 章> 誘発された大震災

第1章> 兵庫県南部地震と断層系
   ○宇宙から眺めてみると
   ○高槻−六甲−淡路構造線
   ○地表に現れた破壊面−パート1 
   ○言葉の使い方
   ○動きの方向
   ○地表に現れた破壊面−パート2
   ○リーデル・シア
   ○断層の階層性−フラクタル
   ○宇宙から測った断層の動き
   ○推定された破壊面
   ○“真犯人”をつきとめる
   ○活断層と被害域
   ○ライフラインの損傷
   ○初期微動の継続
   ○伝わってきた地震波
   ○震度階級の見直し
   ○慶長伏見の地震
   ○遺跡に残された液状化痕
   ○液状化の時期
   ○野島断層トレンチ調査の怪
   ○高槻−六甲−淡路構造線の活動
   ○応力状態の変化
   ○兵庫県南部地震から学ぶ

第2章> 断層系アラカルト
   ○研究の発端
   ○花折−金剛断層線
   ○まぼろしの新聞記事
   ○活断層の上にダム
   ○地学事典に追加される
   ○地震記録計としての湖
   ○敦賀湾−伊勢湾構造線
   ○研究史をまとめる
   ○敦賀湾−伊勢湾構造線の特徴
     ・甲楽城(かぶらぎ)断層
     ・柳ケ瀬断層
     ・関ケ原断層
     ・養老断層
   ○推定された伊勢湾断層
   ○確認された断層
   ○被害地震の発生
     ・1325年正中断層
   ○鯛の島伝説
   ○天正地震
   ○続発した地震
   ○篠島の大陥没
   ○ブーメラン構造と断層の連続性
   ○南海トラフの屈曲
   ○社会的にも重要な構造線
   ○中部地方の断層系
   ○福井−根尾谷断層系
     ・根尾谷断層
   ○日当(ひなた)の露頭
   ○105年前の地割れ
   ○御母衣−阿寺断層系
   ○断層への道
     ・天草下島の砂礫・泥岩互層
     ・大学紛争と地質学教室
     ・房総半島南端の小断層
     ・進路を決める

第3章> マイクロプレート・モデル
   ○プレートテクトニクスと海底の地震
   ○断層系の認定
   ○ブロック構造が見えてくる
   ○地球科学的特徴とは
    ・長い・広い・古い
    ・基盤を切る
    ・ブーゲー異常
    ・被害地震
    ・変位ベクトル
   ○“ふたたび”高槻−六甲−淡路構造線
   ○マイクロプレートとは
   ○マイクロプレート・モデルの提唱
   ○中部マイクロプレートの北縁
   ○岩盤崩落事故とマイクロプレート
   ○東尋坊
   ○邑知潟地溝帯
   ○兵庫県南部地震とマイクロプレート境界
   ○論文の受理
   ○続発する内陸大地震と“本棚”モデル
   ○トランスプレッションとトランステンション
   ○大阪マイクロプレートの回転
   ○中央構造線と南海トラフの連動性
   ○整合するデータ
   ○実証されるモデル

第4章> “断層と地震”再考
   ○活断層を探す
   ○平均変位速度と活断層のクラス
   ○鶴は千年亀は万年
   ○活断層は地震を起こさない
   ○断層の長さと地震の規模
   ○活動間隔への疑問
   ○従来の地震危険度評価とその問題点
   ○特集号の企画
   ○論文募集
   ○特集号のまえがき
   ○地震モーメントの平均解放速度
   ○大地震の発生間隔
   ○評価法の妥当性
   ○断層の長さと発生間隔
   ○地震規模ポテンシャルの提案
   ○地震モーメントの充填率
   ○ビーカーの水
   ○精度向上に向けて

第5章> 内陸大地震の危険地帯
   ○活断層のメッカ“岐阜”
   ○平成の治水
   ○活動期と静穏期
   ○貯金−引き下ろしモデル
   ○ブロック境界で解放される地震モーメント
   ○第3種空白域
   ○内陸地震の危険度
   ○内陸地震の空白域
   ○“要注意断層”への疑問
   ○「活断層法」は時期尚早
   ○地震規模ポテンシャルの見積もり
   ○ブロック内の活断層と地震危険度
   ○危険度の高い活断層
   ○よりよい評価法をめざして
   ○小藤文次郎生誕の地
   ○地震予知小委員会
   ○活断層系のモニタリング
   ○活断層系は地殻の“ツボ”
     ・力学的変化
     ・化学的変化
   ○観測結果と理論モデリングの比較

 参考文献
 あとがき

【著者略歴】
金折 裕司 (かなおり ゆうじ)
昭和26年
昭和48年3月
昭和50年3月
昭和50年4月
昭和58年8月


昭和60年9月〜
  61年9月
平成62年4月
平成7年1月
平成8年11月
平成9年4月
平成14年6月
平成18年4月
平成28年3月
山口県萩市に生まれる
九州大学理学部地質学科卒業
名古屋大学大学院理学研究科修士課程(地球科学専攻)修了
(財)電力中央研究所 土木技術研究所入所
理学博士(名古屋大学)
 論文「断層粘土中の石英粒子の表面構造による断層の活動および      破壊様式の解析」
米国ロスアラモス国立研究所客員研究員

岐阜大学教養部助教授
岐阜大学教養部教授
理化学研究所国際地震フロンティア研究員(非常勤)
山口大学理学部教授
(独)産業技術総合研究所活断層研究センター主任研究員(併任)
山口大学大学院理工学研究科教授
定年退官

<研究分野>
 応用地球科学(構造地質学,応用地質学,土木地質学)

<著 書>
『甦る断層』,『断層列島』,『活断層系』,『山口県の活断層』,『断層地震の連鎖』(いずれも近未来社),『足元に活断層』(朝日新聞社),『濃尾地震の教訓』(岐阜県歴史資料館・共著),『基礎地球科学』(朝倉書店・共著),『日本地方地質地誌 6.中国地方』(朝倉書店・編著),『日本の断層マップ』(培風館・共著),『山口県地質図第3版および地質説明書』(山口地学会・編著)
『Earthquake Proof Design and Active Faults』,『Engineering Geological Advances in Japan for the new millennium』(いずれも編著,Elsevier社,オランダ)

〔学会および社会活動〕
 山口県防災対策専門部会委員,同地震・津波防災対策検討委員会委員
 防府市防災会議専門委員,同地震・津波対策検討委員会委員長
 国際誌「Engineering Geology」(Elsevier社,オランダ)副編集長
 日本土木学会原子力委員会活断層小委員会委員
 日本応用地質学会代議員および中・四国支部副支部長



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