自然科学書出版  近未来社
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    自然災害(地盤災害)
千木良雅弘 著
  高レベル放射性廃棄物
   処分場の立地選定

千木良雅弘 著
  災害地質学ノート
大八木規夫 著
  増補版/地すべり地形判読法
千木良雅弘 著
  写真に見る 地質と災害
千木良雅弘 著
  深層崩壊
千木良雅弘 著
  崩壊の場所
千木良雅弘 著
  群発する崩壊
石田 毅 著
  岩盤破壊音の科学
千木良雅弘 著
  風化と崩壊

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金折裕司 著
  断層地震の連鎖
飯尾能久 著
  内陸地震なぜ起こるのか?
金折裕司 著
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長尾年恭 著
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金折裕司 著
  活断層系
力武常次 著
  予知と前兆
金折裕司 著
  断層列島
金折裕司 著
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高橋 保 著
  洪水の水理
高橋 保 著
  土砂流出現象と土砂害対策
高橋 保 著
  土石流の機構と対策
岡二三生 著
  地盤液状化の科学
河田惠昭 著
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吉田英一 著
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ノンテクトニック断層研究会/編著

  ノンテクトニック断層
吉田英一 著
  地層処分
服部 勇 著
  チャート・珪質堆積物
林 愛明 著/訳
  地震の化石
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  地質のフィールド解析法
吉田英一 著
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  地質構造解析20講
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深川昌弘 著
  上手な本の作り方 Q&A
深川昌弘 著
  これからの自費出版−虎の巻−
石田 毅(京都大学名誉教授)著
岩盤破壊音の科学
An Introduction to Acoustic Emission of Rock
A5判(並製)・212頁 定価 2,619円(税込)
ISBN978-4-906431-10-6〔初版発行日/1999.5.28〕
 〈サイエンスセレクション・シリーズ Vol. 3〉
Key Words  岩盤破壊音(AE)・岩盤破壊音の測定・岩盤破壊音の震源決定法・破壊
       メカニズムの解析・水圧破砕・加熱実験・地下発電所空洞への利用

From the text
 ここでいう破壊音とは,材料の微小な破壊に伴って発生する “Acoustic Emission”,略してAEと総称される高周波の弾性波動のことである。割り箸を曲げていくとペキペキと音がしはじめ,そのうちバキッという大きな音とともに2つに折れてしまう。岩石でも割り箸の例と同じように,破壊に先立ち小さな音が発生し,大音響とととに大きな破壊が起こる。割り箸の音を聞いていれば2つに折れる時期が予想できるように,地下空洞や斜面,その他さまざまな岩盤構造物で破壊音を測定し,破壊の予知や予測を試みる,あるいは破壊のメカニズムを調べることが私の研究である。最も大きな岩盤破壊音は,地殻の岩石が破壊される地震に伴う地震動といえる。岩盤構造物で破壊音を測定することは,微小地震の観測をすることによってその地域の地震の発生メカニズムを解析したり,大地震の予知や予測を試みることとよく似ている。

 『岩盤破壊音の科学』の刊行によせて(水田義明:山口大学教授)

第1章> 岩盤破壊音の利用とその歴史
 §1-1 鉱山での利用
 §1-2 わが国の鉱山・炭鉱などでの利用
 §1-3 地震モデルとしての利用
 §1-4 さまざまな利用例と今後の可能性

第2章> 岩盤破壊音の測定
 §2-1 実験室での測定法
  (1)AEセンサー
  (2)プリ・アンプ
  (3)シグナル・コンディショナー
  (4)AE発生頻度の測定例
  (5)電気的ノイズ
  (6)音や振動によるノイズ
 §2-2 AE波形の測定
  (1)A/D変換の方法
  (2)サンプリング・タイムと測定周波数
  (3)サンプリング・タイムの限界
  (4)振幅の分解能
 §2-3 AEの主要情報の抽出
  (1)トリガーの時刻,振動の継続時間および最大振幅値
  (2)周波数分析
  (3)AE発生頻度
 §2-4 AEのカイザー効果を用いた地圧測定
  (1)カイザー効果と地圧測定の例
  (2)特徴と類似した他の手法
  (3)問題点と今後の課題
 §2-5 現場での測定法
  (1)測定周波数の選択
  (2)現場での測定方法の例
  (3)現場測定におけるノイズ
  (4)減衰の問題
 §2-6 AEセンサーの指向性

第3章> 岩盤破壊音の震源決定法
 §3-1 格子点を用いた簡単な震源決定法
  (1)格子点を仮定した震源決定法
  (2)数値計算の例
 §3-2 P波の到達時刻を用いた震源決定法と非線形の最小2乗法
  (1)震源決定の計算法
  (2)震源決定精度の検討法
 §3-3 条件が付加された震源決定法
  (1)異方性を有する岩盤に対する震源決定法
  (2)震源が平面上にあると仮定できる場合の震源決定法
  (3)1本のボーリング孔に埋設したセンサーによる震源決定法
 §3-4 S波の到達時刻を利用した震源決定法
  (1)P-S時間差を用いた震源決定法
  (2)P波の到達時刻と組み合わせた震源決定法
 §3-5 波動伝播経路が直線とならない場合の震源情報の抽出法
  (1)波動の最短伝播経路と伝播時間
  (2)亀裂方向推定精度の数値解析結果
  (3)実験結果とまとめ
 §3-6 震源決定精度から見たセンサー配置の検討法
  (1)センサー配置による震源決定精度の検討法
  (2)岩盤せん断試験におけるセンサー配置の検討例
  (3)地下深部の水圧破砕試験におけるセンサー配置の検討例

第4章> 破壊メカニズムの解析法
 §4-1 ステレオ投影法
 §4-2 断層面解析法の概要
 §4-3 断層面解析の具体的手順
 §4-4 断層面解析とモーメント・テンソル解析
 §4-5 破壊メカニズム解析の高度化への課題

第5章> 水圧破砕への利用
 §5-1 室内実験
 §5-2 高温岩体発電に関連した水圧破砕の原位置実験
 §5-3 地圧測定の水圧破砕におけるAE測定の可能性

第6章> 加熱実験への利用
 §6-1 室内実験
 §6-2 原位置実験

第7章> 地下発電所空洞への利用
 §7-1 原位置岩盤せん断試験
 §7-2 関西電力椛蜑ヘ内地下発電所空洞
  (1)空洞上部の切拡げ掘削に伴って発生したAEの断層面解とその考察
  (2)6ベンチの掘削に伴って発生したAEの断層面解とその考察
  (3)まとめと今後の課題

 参考文献(和文)
 参考文献(欧文)
 索 引

【著者略歴】
石田 毅 (いしだ つよし)
1979年京都大学大学院修士課程修了.論文「岩盤内の初期地圧状態に関する研究」により工学博士(京都大学,1989年).(財)電力中央研究所にて研究と実務に従事した後,1991年7月より山口大学工学部講師,1994年4月より同大学地域共同研究開発センター助教授.2002年12月より同教授.2006年6月より京都大学大学院工学研究科(社会基盤工学専攻)教授, 2019年3月31日にて定年退職.同年4月より公益財団法人 地震予知総合研究振興会 東濃地震科学研究所客員研究員.



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