自然科学書出版  近未来社
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   処分場の立地選定
千木良雅弘 著

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大八木規夫 著
  増補版/地すべり地形判読法
千木良雅弘 著
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千木良雅弘 著
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千木良雅弘 著
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千木良雅弘 著
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深川昌弘 著
  これからの自費出版−虎の巻−
吉田英一(名古屋大学教授)著
球状コンクリーションの科学
Spherical Concretions on Earth and Mars
菊判・フルカラー(上製)・184頁 定価 3,520円(税込)
 カラー写真;230枚,関連図版;34枚,分析結果表;6枚登載
ISBN978-4-906431-52-6〔初版発行日/2019.6.15〕
  定価:本体 3,200円+税
Key Words  球状コンクリーション・コンクリーションと化石・ツノガイコンクリーション・元素移動現象・球状炭酸カルシウムコンクリーション・鉄コンクリーション・火星のブルーベリー・コンクリーション化の応用

From the text
 私たちの生活環境には大量の岩石素材が使われている。例えばコンクリートにしても同様である。もともとは堆積岩であった石灰岩を材料に,骨材と言われる岩石片を混ぜ固めたものである。しかし,この“人工岩石”の寿命は現状では僅か50年程度であり,現在の技術でも100年を超えさせることは難しい。例えば,ここに,自然界の元素濃集プロセスを織り込むことで,より長期に耐久性のある素材へと進化させられないだろうか。
 本書で取り上げる“コンクリーション”は,自然界における続成作用のプロセスと,そこに刻み込まれた時間軸を具体的に解き明かしてくれる重要な“証”である。そして,これまでの研究から,その形成速度が従来の推定よりも1/1000〜1/10000と非常に速く,かつ工学的にも応用可能な素材であることが明らかとなってきた。また,その形成プロセスを解き明かすにあたって,思いもよらない多くの発見に出会うことができた。本書では,その臨場感を,読者の方々に少しでも味わっていただくことができればと,球状コンクリーションの不思議さや面白さ,最新の情報も含め解説的に示したつもりである。  (本書「はじめに」より抜粋)
 

 はじめに

<序 章> 球状コンクリーションに学ぶ

 コンクリーションとは何か?
 球状であることの謎
 コンクリーション研究の萌芽
 コンクリーションの形成プロセス
 「水」による元素移動現象と風化作用
 火星にも存在した鉄コンクリーション
  〔参考文献〕

<第1章> 球状コンクリーションの不思議
 コンクリーションと化石
 コンクリーションの産状
  <日本各地に見られる球状コンクリーション>
 日本のコンクリーション
  <中川町アンモナイトコンクリーション>
  <中川町天塩川コンクリーション>
  <石狩コンクリーション>
  <三笠地域“玄能石”コンクリーション>
  <知多半島師崎のスナモグリコンクリーション>
  <知多半島の巨大コンクリーション>
  <滋賀県鮎河のコンクリーション>
  <宮崎県のコンクリーション群>
  <高知県竜串コンクリーション>
 海外のコンクリーション
  <中国−最古のコンクリーション−>
  <英国のコンクリーション>
  <ネパールのコンクリーション>
  <ニュージーランド
   〔参考文献〕

<第2章> ツノガイコンクリーション
     −コンクリーション成因の謎を解く鍵−
 「ツノガイコンクリーション」との出会い
 形成メカニズムの推測
 コンクリーション内部の状態
 ツノガイコンクリーションと元素移動
 炭素同位体による検証
 ツノガイコンクリーション形成プロセス
 コンクリーションの形成速度
 球状コンクリーション形成ダイアグラム
 形成条件の一般化
 球状コンクリーションの疑問を解く
 アンモナイトコンクリーションへの応用
 コンクリーション番外編
  <逆さツノガイコンクリーションの不思議>
   〔参考文献〕

<第3章> 鉄コンクリーション
 球状鉄コンクリーション−アメリカ・ユタ州
 散らばるコンクリーション
 モキ・マーブルの不思議
  −仮説1−「酸化還元反応説」
  −仮説2−「シデライト・コンクリーション起源モデル」
 球状炭酸カルシウムコンクリーションの発見
 新たな仮説の提唱
  −仮説3−「球状炭酸カルシウムコンクリーション起源モデル」
 仮説の検証
 球状鉄コンクリーションの形成プロセス
  ステージ1:球状炭酸カルシウムコンクリーションの形成
  ステージ2:酸性地下水の浸透と球状炭酸カルシウム
 " コンクリーションによる中和反応"
  ステージ3:球状鉄コンクリーションの成長と反応の終了
 実験による検証
 モンゴル・ゴビ砂漠での球状鉄コンクリーションの発見
 ヨルダンの球状鉄コンクリーション
 氷河期に形成された球状炭酸カルシウムコンクリーション
 日本の球状鉄コンクリーション
 火星の鉄コンクリーション
 鉄コンクリーションから読み解く火星の太古の環境
 今後の火星探査への期待
  〔参考文献〕

<第4章> コンクリーションの未来
 コンクリーションによる年代測定
 応用地質学への展開
 コンクリーションに学ぶ
  〔参考文献〕

 おわりに
 索 引

【著者略歴】
吉田 英一(よしだ ひでかず)
1962年宮崎県に生まれる.
1986年名古屋大学大学院理学研究科(地球科学専攻)修了,1986年〜2000年核燃料サイクル開発機構(現・独立行政法人日本原子力研究開発機構)に勤務.
2000年より名古屋大学博物館資料分析系准教授,2010年同教授(同大学院環境学研究科地球史学講座教授を兼任),今日に至る.
2010-2014年名古屋大学博物館館長.
2011年〜2012年全国大学博物館等協議会会長,日本博物科学会会長.
2015年より応用地質学会中部支部支部長,2017年より資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会(放射性廃棄物)委員,等に就任.

専攻:環境地質学・応用地質学.とくに岩石の風化や続成過程に伴う元素移動,水(地下水)との反応プロセスに関する研究分野.
http://www.num.nagoya-u.ac.jp/dora_yoshida/


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